文部科学省では、地域の防災力の向上のため、全国の大学等における理学・工学・社会科学分野の防災研究の成果を一元的に提供するデータベースを構築するとともに、大学等の防災研究の成果の展開を図り、地域の防災・減災対策への研究成果の活用を促進するため、「地域防災対策支援研究プロジェクト」を2013年に開始した。鹿児島大学地域防災教育研究センターは当該プロジェクトにおいて文部科学省からの委託を受けて九州地方における地域防災対策支援のためのデータベースの構築に向けて研究をおこなっている(研究代表者:浅野敏之 地域防災教育研究センター長)。
南九州から南西諸島にかけては、豪雨、台風、火山、地震、津波による自然災害が頻繁に発生する地域である。また、災害は時代とともに変遷し、大規模化、複合化している。こうした新たな事態に対応した地域防災体制の確立と、それを支える総合的防災教育研究の推進が喫緊の課題となっている。このような背景のもと、鹿児島大学は2011年に地域防災教育研究センターを新設し、南九州から南西諸島における災害の防止と軽減を図るため、災害の実態解明、予測、防災教育、災害応急対応、災害復旧復興等の課題に地域と連携して取り組んでいる。具体的な取組例としては、災害調査、一般(自治体、病院関係者等)、学生、教職員を対象としたシンポジウムの開催、市民・行政・企業などの防災アドバイザーとしての役割、日本防災士機構と連携した防災士の育成、鹿児島地方気象台と連携した地域防災力の向上などがある。
南九州地方で発生した、豪雨、台風、火山、地震、津波による自然災害に関して、鹿児島大学が収集したあるいは収集する資料をデータベース化し、単なるリンク集ではなく、住民、地方公共団体、教育機関、企業、各種団体などがすぐに利用できる図・写真・表・数値データをweb上で公開することにより地域防災力の向上を支援する。
地方公共団体などの土砂災害、河川管理等に関する防災計画の立案に資するために、国土交通省が全国の主要都市域に展開しているXバンドマルチパラメータレーダ雨量情報を購入し、豪雨災害時の詳細な降雨情報をDB化し公開する。
地方公共団体などの土砂災害、河川管理等に関する防災計画の立案に資するために、国土交通省が全国の主要都市域に展開しているXバンドマルチパラメータレーダ雨量情報を購入し、豪雨災害時の詳細な降雨情報をDB化し公開する。
今後、大噴火が予想される桜島の大噴火の防災・減災対策の一環として、過去の大災害の教訓を活かし地域住民の火山防災への興味や関心を深めるために、鹿児島大学が収集した桜島大正大噴火の画像や新聞記事等の著作権の有無を調査・解決しweb上で公開可能なデジタルアーカイブズを構築する。
様々な自然災害に対して、その災害の予防や減災対策には災害予測図(ハザードマップ)や防災マップの整備が必要不可欠といえる。鹿児島県内においても各自治体によって、土砂災害や洪水などに対する防災マップの作成が進められてきた。本事業は、鹿児島県内各自治体において作成された様々な災害予測図や防災マップを収集し、そのデータベースを作成するとともに、マップをデジタル化してWEB上で広く一般に公開することを目的とする。